母が生前に着ていたというジャケットを見つける夢を見た。そこは建て替えられる前の古い実家にあったわたしの部屋に似た雰囲気の部屋で、赤の生地に紺色のラインが入ったカジュアルなジャケットが箪笥の扉にかけられていた。実際にはまったく見たことのないジャケットだった。
ジャケットにはいくつもポケットがあり、わたしはポケットの中身を確認していった。左のポケットからは御守りが2つ出てきた。「東京のどこかにある神社のものだ」とわたしは思った。右のポケットからは、複数の時刻表と、何かの会員証、どこかでもらってきたらしい観光案内のようなものが出てきた。
胸ポケットからもプラスティックケースに入った小さな御守りと、どこか旅先でもらってきたと思われる案内書のようなものが出てきた。わたしは「随分いろんなものが入っているな、そういえば母は生前よくあちこちへ出かけていたな」などと思っていた。
場面が切り替わったか、または別の夢の中で、わたしは車で移動していた。運転していたのは母のパートナーだったような気がするが、別の人だったかもしれない。窓の外の景色と同時に、自分が移動しているエリアの地図が見えていた。どうやらわたしは、母が生前に訪れた場所を巡っているようだった。