記憶の断片

通っていた高校の近くのなんでもない道路沿いに建つ古い家屋やビルの気配と歩道の脇に生えた草や苔の様子が不意に脳内で蘇った。感情は動かない。イメージがただやってきてほどけるように流れていく。

こんな風に、ごく瑣末な情景の記憶のほんの一部がズームアップされたかのように突然蘇ることがある。