静かな悲しみ

静かな悲しみ

いつもいつも奥歯に痛みやトラブルが生じて歯科へ行くたびに、まったく自覚していなかった悲しみが溢れだしてくる。奥深い暗闇にひそんでいた悲しみはとても静かだけれど、すべてを覆ってしまうほどに大きい。

しんしんとひたすら悲しい。幼少期の記憶だろうかとか、感じないふりをしていたいつかの感情だろうかと考えたりもしたけれど、どんな理由よりもまず先に悲しみがそこにあるので、流れ出すままただ受け入れている。

昨日は、自分がまるで空気の抜けた風船のように感じられ、立っているのも辛かったので、ひたすら眠った。今日は食事をし、洗濯をして、さくらの散歩に出かけられるほどにはなった。しかし、変わらずにしんしんとただ悲しい。わけもなく涙が流れる。抑えずに、解釈もせず、このままじっとつきあっていく。

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