夢で訪れる懐かしい場所
月のめぐりに伴う体調低下のため、ここ数日はひたすら眠って夢を見ていた。どの夢の中でもわたしは、まったく知らないのに懐かしい場所にいた。思い出すだけで胸がじわりと温かくなるほど親しみを覚える場所だった。目が覚めた後もあの場所に還りたくて仕方なく、この世に適応するのに時間がかかった。
ある夢では、わたしは大きなターミナル駅のそばにある高い山の上にいた。山は深々と緑に覆われ、崖から溢れ落ちた水が川になって滔々と流れていた。遠くに見える超高層ビルから未来型戦闘機のような飛行物体が垂直に落下したかと思うと、急角度で上昇して猛スピード飛び去って行った。
また別の夢では、わたしは古い木造建築の一室にいた。さくらも一緒で、その夜はそこに宿泊するようだった。窓際の天井に小さな蛾が一匹止まっていたので、手に持っていた書類か何かで追いやって窓から外へ逃がした。窓の外枠には他にももう1匹小さな蛾がじっと止まっていた。