怪しい人

「外見からはカメラだとはわかりづらい一台目の流木ピンホールカメラを持ち歩いていると、いつも複数の人から訝し気な目で見られる。三脚付きの怪しい木箱を持ち歩く怪しいアジア人だと思われているかも。」と話したら、友人が「Miroslav Tichýみたいですね。」と言った。そうか、確かにそんな風に映っているのかもしれない。

少し前に、やっぱり三脚を付けた流木ピンホールカメラを持って歩いていたら、子どもたちに囲まれて、おそらくからかわれた(もしくは蔑まれた)のだが、言葉がわからなかったので、彼らの顔をじーっと見つめてしまった。そういえば、ずいぶん前に、夜の銀座でショーウインドウの光が街路樹を赤く染める様に見入ってしまい、夢中で写真を撮っていたら、いきなり近づいてきた知らない男性から「頭おかしいんじゃねーか」と言われたのを思い出した。あの時も、言われたことがよくわからなくて、やっぱりぼーっとしてしまった。

わたし自身はといえば、相手から不当な攻撃さえ受けなければ、どんな風に見られても気にはしない。そもそも、いい場所を見つけて写真を撮っている間にはそんなことは忘れている。ただ、時々チェコ語で「それは何?」と尋ねられるのだが、わたしが知っている単語を並べて「ピンホールカメラだ」と答えてもわからない人も多いので、もう少し説明ができるようになれればいいとは思う。